家事事件手続規則(原文は縦書き)
 
平成二十四年最高裁判所規則第八号
 
家事事件手続規則を次のように定める。
 
家事事件手続規則目次
 
第一編 総則
第一章 通則(第一条―第五条)
第二章 管轄(第六条―第九条)
第三章 裁判所職員の除斥、忌避及び回避(第十条―第十四条)
第四章 当事者能力及び手続行為能力(第十五条―第十七条)
第五章 手続代理人(第十八条)
第六章 手続費用
第一節 手続費用の負担(第十九条・第二十条)
第二節 手続上の救助(第二十一条)
第七章 家事事件の審理等(第二十二条―第二十六条)
第二編 家事審判に関する手続
第一章 総則
第一節 家事審判の手続
第一款 通則(第二十七条―第三十六条)
第二款 家事審判の申立て(第三十七条―第四十一条)
第三款 家事審判の手続の期日(第四十二条・第四十三条)
第四款 事実の調査及び証拠調べ(第四十四条―第四十六条)
第五款家事調停をすることができる事項についての家事審判の手続の特則(第四十七条・第四十八条)
第六款 審判等(第四十九条―第五十一条)
第七款 取下げによる事件の終了(第五十二条)
第八款 高等裁判所が第一審として行う手続(第五十三条)
第二節 不服申立て
第一款 審判に対する不服申立て
第一目 即時抗告(第五十四条―第六十条)
第二目 特別抗告(第六十一条―第六十八条)
第三目 許可抗告(第六十九条)
第二款 審判以外の裁判に対する不服申立て(第七十条―第七十二条)
第三節 再審(第七十三条・第七十四条)
第四節 審判前の保全処分(第七十五条)
第五節 戸籍の記載等の嘱託(第七十六条・第七十七条)
第二章 家事審判事件
第一節 成年後見に関する審判事件(第七十八条―第八十四条)
第二節 保佐に関する審判事件(第八十五条)
第三節 補助に関する審判事件(第八十六条)
第四節 不在者の財産の管理に関する処分の審判事件(第八十七条)
第五節 失踪の宣告に関する審判事件(第八十八条・第八十九条)
第六節 婚姻等に関する審判事件(第九十条―第九十二条)
第七節 親子に関する審判事件(第九十三条・第九十四条)
第八節 親権に関する審判事件(第九十五条・第九十六条)
第九節 未成年後見に関する審判事件(第九十七条)
第十節 扶養に関する審判事件(第九十八条)
第十一節推定相続人の廃除に関する審判事件(第九十九条―第百一条)
第十二節遺産の分割に関する審判事件(第百二条―第百四条)
第十三節相続の承認及び放棄に関する審判事件(第百五条―第百七条)
第十四節財産分離に関する審判事件(第百八条)
第十五節相続人の不存在に関する審判事件(第百九条―第百十二条)
第十六節遺言に関する審判事件(第百十三条―第百十六条)
第十七節任意後見契約法に規定する審判事件(第百十七条・第百十八条)
第十八節戸籍法に規定する審判事件(第百十九条)
第十九節厚生年金保険法等に規定する審判事件(第百二十条)
第二十節破産法に規定する審判事件(第百二十一条・第百二十二条)
第二十一節中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律に規定する審判事件(第
百二十三条)
第三編 家事調停に関する手続
第一章 総則
第一節 通則(第百二十四条―第百二十六条)
第二節 家事調停の申立て(第百二十七条)
第三節 家事調停の手続(第百二十八条・第百二十九条)
第四節 調停の成立(第百三十条・第百三十一条)
第五節 調停の成立によらない事件の終了(第百三十二条)
第六節 付調停等(第百三十三条)
第二章 合意に相当する審判(第百三十四条・第百三十五条)
第三章 調停に代わる審判(第百三十六条・第百三十七条)
第四章 不服申立て等(第百三十八条)
第四編 履行の確保(第百三十九条・第百四十条)
附則
 
第一編 総則
 
第一章 通則
 
(当事者等が裁判所に提出すべき書面の記載事項)
 
第一条申立書その他の当事者、利害関係参加人又は代理人が裁判所に提出すべき書面には、次に掲げる事項を記載し、当事者、利害関係参加人又は代理人が記名押印するものとする。
一当事者及び利害関係参加人の氏名又は名称及び住所並びに代理人の氏名及び住所
二事件の表示
三附属書類の表示
四 年月日
五裁判所の表示
2 前項の規定にかかわらず、当事者、利害関係参加人又は代理人からその住所を記載した同項の書面が提出されているときは、以後裁判所に提出する同項の書面については、これを記載することを要しない。
 
(裁判所に提出すべき書面のファクシミリによる提出)
 
第二条裁判所に提出すべき書面は、次に掲げるものを除き、ファクシミリを利用して送信することにより提出することができる。
一 民事訴訟費用等に関する法律(昭和四十六年法律第四十号)の規定により手数料を納付しなければならない申立てに係る書面
二 その提出により家事事件の手続の開始、続行、停止又は完結をさせる書面(前号に該当する書面を除く。)
三 法定代理権、家事事件の手続における手続上の行為(第十五条において「手続行為」という。)をするのに必要な授権又は手続代理人の権限を証明する書面その他の家事事件の手続上重要な事項を証明する書面
四 特別抗告の抗告理由書又は家事事件手続法(平成二十三年法律第五十二号。以下「法」という。)第九十七条第二項(法第百二条及び第二百八十八条において準用する場合を含む。)の申立てに係る理由書
 
 
2 ファクシミリを利用して書面が提出されたときは、裁判所が受信した時に、当該書面
が裁判所に提出されたものとみなす。
3 裁判所は、前項に規定する場合において、必要があると認めるときは、提出者に対し、
送信に使用した書面を提出させることができる。
 
(裁判所に提出する書面に記載した情報の電磁的方法による提供等)
 
第三条裁判所は、書面を裁判所に提出した者又は提出しようとする者が当該書面に記載
されている情報の内容を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚に
よっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処
理の用に供されるものをいう。以下この項において同じ。)を有している場合において、
必要があると認めるときは、その者に対し、当該電磁的記録に記録された情報を電磁的方
法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法をいう。)
であって裁判所の定めるものにより裁判所に提供することを求めることができる。
2 裁判所は、申立書その他の書面を送付しようとするときその他必要があると認めると
きは、当該書面を裁判所に提出した者又は提出しようとする者に対し、その写しを提出す
ることを求めることができる。
 
(公告の方法等)
 
第四条公告は、特別の定めがある場合を除き、裁判所の掲示場その他裁判所内の公衆の
見やすい場所に掲示し、かつ、官報に掲載してする。
2公告に関する事務は、裁判所書記官が取り扱う。
 
(申立てその他の申述の方式等に関する民事訴訟規則の準用)
 
第五条民事訴訟規則(平成八年最高裁判所規則第五号)第一条の規定は家事事件の手続
における申立てその他の申述の方式について、同規則第四条の規定は家事事件の手続にお
ける催告及び通知について、同規則第五条の規定は家事事件の手続における書類の記載の
仕方について準用する。
 
第二章 管轄
 
(法第七条の最高裁判所規則で定める地の指定)
 
第六条 法第七条の最高裁判所規則で定める地は、東京都千代田区とする。
 
 
(移送の申立ての方式・法第九条)
第七条移送の申立ては、家事事件の手続の期日においてする場合を除き、書面でしなけ
 
ればならない。
2前項の申立てをするときは、申立ての理由を明らかにしなければならない。
(移送等における取扱い・法第九条)
第八条家庭裁判所は、法第九条第一項ただし書の規定による裁判(移送の裁判を除く。
 
)をするときは、当事者及び利害関係参加人の意見を聴かなければならない。
2 家庭裁判所は、法第九条第一項ただし書又は第二項の規定による移送の裁判をすると
きは、当事者及び利害関係参加人の意見を聴くことができる。
 
(移送に関する民事訴訟規則の準用・法第九条)
第九条 民事訴訟規則第九条の規定は、家事事件の移送の裁判について準用する。
第三章 裁判所職員の除斥、忌避及び回避
(除斥又は忌避の申立ての方式等・法第十条等)
第十条裁判官に対する除斥又は忌避の申立ては、その原因を明示して、裁判官の所属す
 
る裁判所にしなければならない。
2 前項の申立ては、家事事件の手続の期日においてする場合を除き、書面でしなければ
ならない。
3 除斥又は忌避の原因は、申立てをした日から三日以内に疎明しなければならない。法
第十一条第二項ただし書に規定する事実についても、同様とする。
 
(除斥又は忌避についての裁判官の意見陳述・法第十二条)
第十一条裁判官は、その除斥又は忌避の申立てについて意見を述べることができる。
(裁判官の回避)
第十二条 裁判官は、法第十条第一項又は第十一条第一項に規定する場合には、監督権を
 
 
有する裁判所の許可を得て、回避することができる。
(裁判所書記官等の除斥等・法第十三条等)
第十三条 裁判所書記官、参与員及び家事調停官の除斥、忌避及び回避については、前三
 
条の規定を準用する。この場合において、簡易裁判所の裁判所書記官の回避の許可は、そ
の裁判所書記官の所属する裁判所の裁判所法(昭和二十二年法律第五十九号)第三十七条
に規定する裁判官がする。
 
(家庭裁判所調査官及び家事調停委員の除斥及び回避・法第十六条)
 
第十四条 家庭裁判所調査官及び家事調停委員の除斥及び回避については、第十条から第
十二条までの規定(忌避に関する部分を除く。)を準用する。
第四章 当事者能力及び手続行為能力
(法人でない社団又は財団の当事者能力の判断資料の提出等・法第十七条)
第十五条 家事事件の手続における法人でない社団又は財団の当事者能力の判断資料の提
 
出については民事訴訟規則第十四条の規定を、家事事件の手続における法定代理権及び手
続行為をするのに必要な授権の証明については同規則第十五条前段の規定を準用する。
 
(法定代理権の消滅の届出・法第二十条)
第十六条 法第二十条の規定による通知をした者は、その旨を裁判所に書面で届け出なけ
ればならない。
2 法別表第二に掲げる事項についての審判事件及び家事調停事件以外の家事事件におい
て法定代理権が消滅したときは、本人又は代理人は、その旨を裁判所に書面で届け出なけ
ればならない。
 
(法人の代表者等への準用・法第二十一条)
 
第十七条 法人の代表者及び法人でない社団又は財団で当事者能力を有するものの代表者
又は管理人については、この規則中法定代理及び法定代理人に関する規定を準用する。
第五章 手続代理人
 
 
(手続代理人の代理権の証明等・法第二十二条等)
 
第十八条手続代理人の権限は、書面で証明しなければならない。
2 前項の書面が私文書であるときは、裁判所は、公証人その他の認証の権限を有する公
務員の認証を受けるべきことを手続代理人に命ずることができる。
3 法第二十五条の規定により他方の当事者に通知をした者は、その旨を裁判所に書面で
届け出なければならない。
4法第二十五条の規定による裁判所に対する通知は、書面でしなければならない。
 
第六章 手続費用
 
第一節 手続費用の負担
 
(後見登記法に定める登記の手数料の予納等)
 
第十九条 裁判所は、後見登記等に関する法律(平成十一年法律第百五十二号)に定める
登記(第七十七条において「後見登記法に定める登記」という。)の手数料に充てるため
の費用に限り、金銭に代えて収入印紙で予納させることができる。
2 前項の規定により予納させた収入印紙の管理については、民事訴訟費用等に関する法
律第十三条の規定により予納させた郵便切手の管理の例による。
 
(手続費用に関する民事訴訟規則の準用・法第三十一条)
 
第二十条 民事訴訟規則第一編第四章第一節の規定は、手続費用(家事審判及び家事調停
に関する手続の費用をいう。第五十一条において同じ。)の負担について準用する。この
場合において、同規則第二十四条第二項中「訴訟費用又は和解の費用」とあるのは「手続
費用(家事審判及び家事調停に関する手続の費用をいう。)又は家事事件手続法(平成二
十三年法律第五十二号)第二十九条第四項の訴訟費用」と、同項並びに同規則第二十五条、
第二十六条及び第二十八条中「訴訟費用等」とあるのは「手続費用等」と、同規則第二十
四条第二項中「第四十七条(書類の送付)第一項」とあるのは「家事事件手続規則(平成
二十四年最高裁判所規則第八号)第二十六条第一項」と読み替えるものとする。
 
第二節 手続上の救助
 
(手続上の救助の申立ての方式等・法第三十二条)
 
 
第二十一条 手続上の救助の申立ては、書面でしなければならない。
2手続上の救助の事由は、疎明しなければならない。
 
第七章 家事事件の審理等
 
(受命裁判官又は受託裁判官の期日指定・法第三十四条)
 
第二十二条受命裁判官又は受託裁判官が行う家事事件の手続の期日は、その裁判官が指
定する。
 
(期日変更の制限・法第三十四条)
 
第二十三条家事事件の手続の期日の変更は、次に掲げる事由に基づいては、してはなら
ない。ただし、やむを得ない事由があるときは、この限りでない。
一 当事者又は利害関係参加人の一人につき手続代理人が数人ある場合において、その一
部の代理人について変更の事由が生じたこと。
二期日指定後にその期日と同じ日時が他の事件の期日に指定されたこと。
 
(裁判長等が定めた期間の伸縮・法第三十四条)
 
第二十四条裁判長、受命裁判官又は受託裁判官が定めた期間の伸縮については、民事訴
訟規則第三十八条の規定を準用する。
 
(送達・法第三十六条)
 
第二十五条送達については、民事訴訟規則第一編第五章第四節の規定(同規則第四十一
条第二項及び第四十七条の規定を除く。)を準用する。この場合において、同規則第三十
九条中「地方裁判所」とあるのは、「家庭裁判所」と読み替えるものとする。
 
(書類の送付)
 
第二十六条直送(当事者又は利害関係参加人(以下この条及び第四十六条第三項におい
て「当事者等」という。)の他の当事者等に対する直接の送付をいう。以下この条及び第
四十六条第三項において同じ。)その他の送付は、送付すべき書類の写しの交付又はその
書類のファクシミリを利用しての送信によってする。
 
 
2 裁判所が当事者等その他の関係人に対し送付すべき書類の送付に関する事務は、裁判
所書記官が取り扱う。
3 裁判所が当事者等の提出に係る書類の他の当事者等への送付をしなければならない場
合(送達をしなければならない場合を除く。)において、当事者等がその書類について直
送をしたときは、その送付は、することを要しない。
4 当事者等が直送をしなければならない書類について、直送を困難とする事由その他相
当とする事由があるときは、当該当事者等は、裁判所に対し、当該書類の他の当事者等へ
の送付を裁判所書記官に行わせるよう申し出ることができる。
 
第二編 家事審判に関する手続
 
第一章 総則
 
第一節 家事審判の手続
 
第一款 通則
 
(参加の申出の方式等・法第四十一条等)
 
第二十七条法第四十一条第三項の書面には、家事審判の手続に参加する者が同条第一項
又は第二項に規定する者であることを明らかにする資料を添付しなければならない。
2 法第四十一条第一項の規定による参加の申出があった場合には、当該申出を却下する
裁判があったときを除き、裁判所書記官は、その旨を当事者及び利害関係参加人に通知し
なければならない。
3 法第四十一条第二項の規定による参加の裁判があったときは、裁判所書記官は、その
旨を当事者及び利害関係参加人に通知しなければならない。
4 第一項の規定は法第四十二条第四項において準用する法第四十一条第三項の書面につ
いて、第二項の規定は法第四十二条第一項の規定による参加の申出があった場合について、
前項の規定は同条第二項の規定による参加の許可の裁判又は同条第三項の規定による参加
の裁判があった場合について準用する。この場合において、第一項中「同条第一項又は第
二項」とあるのは、「法第四十二条第一項又は第二項」と読み替えるものとする。
 
(手続からの排除の通知・法第四十三条)
 
第二十八条法第四十三条第一項の規定による排除の裁判があったときは、裁判所書記官
は、その旨を当事者及び利害関係参加人に通知しなければならない。
 
 
(受継の申立ての方式等・法第四十四条等)
 
第二十九条法第四十四条第一項又は第三項の規定による受継の申立ては、書面でしなけ
ればならない。
2 前項の書面には、家事審判の手続を受け継ぐ者が法令により手続を続行する資格のあ
る者であることを明らかにする資料を添付しなければならない。
3 法第四十四条第一項又は第三項の規定による受継があったときは、裁判所書記官は、
その旨を当事者及び利害関係参加人に通知しなければならない。
4 第一項及び第二項の規定は法第四十五条第一項の規定による受継の申立てについて、
前項の規定は法第四十五条第一項又は第二項の規定による受継があった場合について準用
する。この場合において、第二項中「法令により手続を続行する資格のある」とあるのは、
「当該家事審判の申立てをすることができる」と読み替えるものとする。
 
(家事審判の申立人の死亡等の届出・法第四十五条)
 
第三十条 家事審判の申立人に死亡、資格の喪失その他の家事審判の手続を続行すること
ができない事由が生じた場合において、法令により手続を続行する資格のある者がないと
きは、当該申立人又はその手続代理人は、その事由が生じた旨を家庭裁判所に書面で届け
出なければならない。
 
(期日調書の形式的記載事項・法第四十六条等)
 
第三十一条法第四十六条及び第百十四条第一項の調書(以下「期日調書」という。)に
は、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一事件の表示
二裁判官及び裁判所書記官の氏名
三 出頭した当事者、利害関係参加人、代理人、補佐人、通訳人及びその他の関係人の氏
四期日の日時及び場所
2期日調書には、裁判所書記官が記名押印し、裁判長が認印しなければならない。
3 前項の場合において、裁判長に支障があるときは、陪席裁判官がその事由を付記して
認印しなければならない。裁判官に支障があるときは、裁判所書記官がその旨を記載すれ
ば足りる。
 
(期日調書の実質的記載事項・法第四十六条等)
 
 
第三十二条期日調書には、手続の要領を記載し、特に、次に掲げる事項を明確にしなけ
ればならない。
一申立ての趣旨又は理由の変更及び申立ての取下げ
二証人、当事者本人及び鑑定人の陳述
三 証人、当事者本人及び鑑定人の宣誓の有無並びに証人及び鑑定人に宣誓をさせなかっ
た理由
四検証の結果
五裁判長が記載を命じた事項及び当事者の請求により記載を許した事項
六書面を作成しないでした裁判
2 前項の規定にかかわらず、家事審判の手続が裁判によらないで完結した場合には、裁
判長の許可を得て、証人、当事者本人及び鑑定人の陳述並びに検証の結果の記載を省略す
ることができる。ただし、当事者が家事審判の手続の完結を知った日から一週間以内にそ
の記載をすべき旨の申出をしたときは、この限りでない。
3 期日調書には、手続の要領のほか、当事者及び利害関係参加人による書面の提出の予
定その他手続の進行に関する事項を記載することができる。
 
(期日及び期日調書に関する民事訴訟規則の準用・法第四十六条等)
 
第三十三条民事訴訟規則第六十八条から第七十七条までの規定は、家事審判の手続の期
日及び期日調書について準用する。この場合において、同規則第六十八条第一項中「前条
(口頭弁論調書の実質的記載事項)第一項」とあるのは「家事事件手続規則第三十二条第
一項」と、同規則第七十四条第一項第三号中「上訴の提起又は上告受理」とあるのは「審
判に対する即時抗告若しくは特別抗告の提起又は家事事件手続法第九十七条第二項」と、
同規則第七十七条中「法廷」とあるのは「家事審判の手続の期日」と読み替えるものとす
る。
 
(家事審判事件の記録の正本等の様式・法第四十七条)
 
第三十四条家事審判事件の記録の正本、謄本又は抄本には、正本、謄本又は抄本である
ことを記載し、裁判所書記官が記名押印しなければならない。
 
(家事審判事件の記録の閲覧等の許可・法第四十七条)
 
第三十五条家事審判事件の記録の閲覧等(法第四十七条第一項に規定する記録の閲覧等
をいう。以下この条において同じ。)を許可する裁判においては、当該事件の記録中記録
 
 
の閲覧等を許可する部分を特定しなければならない。
(受命裁判官の指定)
第三十六条受命裁判官にその職務を行わせる場合には、裁判長がその裁判官を指定する。
第二款 家事審判の申立て
(家事審判の申立書の記載事項等・法第四十九条)
第三十七条家事審判の申立書には、申立ての趣旨及び申立ての理由(申立てを特定する
 
のに必要な事実をいう。次項において同じ。)を記載するほか、事件の実情を記載しなけ
ればならない。
2 申立ての理由及び事件の実情についての証拠書類があるときは、その写しを家事審判
の申立書に添付しなければならない。
3 家庭裁判所は、家事審判の申立てをした者又はしようとする者に対し、家事審判の申
立書及び前項の証拠書類の写しのほか、当該申立てに係る身分関係についての資料その他
家事審判の手続の円滑な進行を図るために必要な資料の提出を求めることができる。
 
(家事審判の申立書の補正の促し・法第四十九条)
 
第三十八条裁判長は、家事審判の申立書の記載について必要な補正を促す場合には、裁
判所書記官に命じて行わせることができる。
(家事審判の申立書の却下の命令に対する即時抗告・法第四十九条等)
第三十九条家事審判の申立書の却下の命令に対し即時抗告をするときは、抗告状には、
 
却下された家事審判の申立書を添付しなければならない。
(参考事項の聴取・法第四十九条)
第四十条 裁判長は、家事審判の申立てがあったときは、当事者から、家事審判の手続の
 
進行に関する意見その他手続の進行について参考とすべき事項の聴取をすることができる。
2 裁判長は、前項の聴取をする場合には、裁判所書記官に命じて行わせることができる。
(申立ての変更の通知・法第五十条)
 
 
第四十一条申立人が法第五十条第一項の規定により申立ての趣旨又は理由を変更した場
合には、同条第三項又は第四項の規定による裁判があったときを除き、裁判所書記官は、
その旨を当事者及び利害関係参加人に通知しなければならない。
 
第三款 家事審判の手続の期日
 
(音声の送受信による通話の方法による手続・法第五十四条)
 
第四十二条家庭裁判所及び当事者双方が音声の送受信により同時に通話をすることがで
きる方法によって家事審判の手続の期日における手続(証拠調べを除く。)を行うときは、
家庭裁判所又は受命裁判官は、通話者及び通話先の場所の確認をしなければならない。
2 前項の手続を行ったときは、その旨及び通話先の電話番号を家事審判事件の記録上明
らかにしなければならない。この場合においては、通話先の電話番号に加えてその場所を
明らかにすることができる。
 
(手続代理人の陳述禁止等の通知・法第五十五条)
 
第四十三条手続代理人の陳述禁止等の通知については、民事訴訟規則第六十五条の規定
を準用する。
 
第四款 事実の調査及び証拠調べ
 
(事実の調査・法第五十六条等)
 
第四十四条事実の調査は、必要に応じ、事件の関係人の性格、経歴、生活状況、財産状
態及び家庭環境その他の環境等について、医学、心理学、社会学、経済学その他の専門的
知識を活用して行うように努めなければならない。
2 事実の調査については、裁判所書記官は、その要旨を家事審判事件の記録上明らかに
しておかなければならない。
 
(裁判所の嘱託の手続・法第六十一条等)
 
第四十五条裁判所がする事実の調査及び証拠調べに関する嘱託の手続は、特別の定めが
ある場合を除き、裁判所書記官がする。
 
 
(証拠調べ・法第六十四条)
 
第四十六条家事審判の手続における証拠調べについては、民事訴訟規則第二編第三章第
一節から第六節までの規定(同規則第九十九条第二項、第百条、第百一条、第百二十一条
及び第百三十九条の規定を除く。)を準用する。この場合において、これらの規定中「直
送」とあるのは「家事事件手続規則第二十六条第一項の直送」と、同規則第百二十九条の
二中「口頭弁論若しくは弁論準備手続の期日又は進行協議期日」とあるのは「家事審判の
手続の期日」と、同規則第百四十条第三項中「第九十九条(証拠の申出)第二項」とある
のは「家事事件手続規則第四十六条第三項」と読み替えるものとする。
2 法第六十四条第五項の規定により出頭を命じられた当事者が正当な理由なく出頭しな
い場合には、民事訴訟規則第百十一条の規定は、前項において準用する同規則第百二十七
条ただし書の規定にかかわらず、当該当事者の勾引について準用する。
3 当事者等が第一項において準用する民事訴訟規則第九十九条第一項の証拠の申出を記
載した書面を裁判所に提出する場合には、当該書面について直送をしなければならない。
4 裁判長は、必要があると認めるときは、第一項の証拠調べの期日において参与員、家
庭裁判所調査官又は医師である裁判所技官が証人、当事者本人又は鑑定人に対し直接に問
いを発することを許すことができる。
 
第五款 家事調停をすることができる事項についての家事審判の手続の特則
 
(家事審判の申立書の写しの添付・法第六十七条)
 
第四十七条法別表第二に掲げる事項についての家事審判の申立てをするときは、家事審
判の申立書に相手方の数と同数の写しを添付しなければならない。
 
(審問の期日の通知・法第六十九条)
 
第四十八条法第六十九条の審問の期日は、当事者及び利害関係参加人に通知しなければ
ならない。ただし、その通知をすることにより事実の調査に支障を生ずるおそれがあると
認められるときは、この限りでない。
 
第六款 審判等
 
(審判確定証明書等・法第七十四条等)
 
第四十九条家庭裁判所の裁判所書記官は、法第四十七条第一項又は第六項の規定による
 
 
請求により、家事審判事件の記録に基づいて審判の確定についての証明書を交付する。
2 家事審判事件がなお抗告審に係属中であるときは、前項の規定にかかわらず、当該家
事審判事件の記録の存する裁判所の裁判所書記官が、審判の確定した部分のみについて同
項の証明書を交付する。
3前二項の規定は、審判以外の裁判について準用する。
 
(審判の方式等・法第七十六条等)
 
第五十条審判書には、審判をした裁判官が記名押印しなければならない。
2 合議体の構成員である裁判官が審判書に記名押印することに支障があるときは、他の
裁判官が審判書にその事由を付記して記名押印しなければならない。
3 審判の告知がされたときは、裁判所書記官は、その旨及び告知の方法を家事審判事件
の記録上明らかにしなければならない。
4前三項の規定は、審判以外の裁判について準用する。
 
(脱漏した手続費用の負担の裁判を求める申立て・法第七十九条等)
 
第五十一条手続費用の負担の裁判を脱漏した場合における手続費用の負担の裁判を求め
る申立てについては、民事訴訟規則第百六十一条の規定を準用する。
 
第七款 取下げによる事件の終了
 
(家事審判の申立ての取下げがあった場合の取扱い・法第八十二条等)
 
第五十二条家事審判の申立ての取下げがあった場合において、相手方の同意を要しない
ときは、裁判所書記官は、申立ての取下げがあった旨を当事者及び利害関係参加人に通知
しなければならない。
2 家事審判の申立ての取下げについて相手方の同意を要する場合において、相手方が申
立ての取下げに同意したとき(法第八十二条第四項の規定により同意したものとみなされ
た場合を含む。)は、裁判所書記官は、その旨を当事者及び利害関係参加人に通知しなけ
ればならない。
3 第一項の規定は、法第八十三条の規定により家事審判の申立ての取下げがあったもの
とみなされた場合について準用する。
 
第八款 高等裁判所が第一審として行う手続
 
 
(高等裁判所が第一審として家事審判の手続を行う場合におけるこの節の規定の適用・法
第八十四条)
 
第五十三条高等裁判所が第一審として家事審判の手続を行う場合におけるこの節の規定
の適用については、第三十条、第三十七条第三項、第四十二条第一項及び第四十九条第一
項中「家庭裁判所」とあるのは「高等裁判所」と、同項及び同条第二項並びに第五十条第
三項中「審判の」とあるのは「審判に代わる裁判の」と、同条第一項及び第二項中「審判
書」とあるのは「審判に代わる裁判の裁判書」と、同条第一項中「審判を」とあるのは「
審判に代わる裁判を」とする。
2 第三十九条の規定は、高等裁判所が第一審として家事審判の手続を行う場合について
は、適用しない。
 
第二節 不服申立て
 
第一款 審判に対する不服申立て
 
第一目 即時抗告
 
(抗告状の写しの添付・法第八十八条)
 
第五十四条審判に対する即時抗告をするときは、抗告状には、原審における当事者及び
利害関係参加人(抗告人を除く。)の数と同数の写しを添付しなければならない。
 
(原審判の取消事由等を記載した書面)
 
第五十五条審判に対する即時抗告をする場合において、抗告状に原審判の取消し又は変
更を求める事由の具体的な記載がないときは、抗告人は、即時抗告の提起後十四日以内に、
これらを記載した書面を原裁判所に提出しなければならない。
2前条の規定は、前項の書面について準用する。
 
(抗告裁判所への事件送付)
 
第五十六条審判に対する即時抗告があった場合には、原裁判所は、抗告却下の審判をし
たときを除き、遅滞なく、事件を抗告裁判所に送付しなければならない。
2 前項の規定による事件の送付は、原裁判所の裁判所書記官が、抗告裁判所の裁判所書
記官に対し、家事審判事件の記録を送付してしなければならない。
 
 
(原裁判所の意見)
 
第五十七条審判(法別表第二に掲げる事項についての審判を除く。)に対する即時抗告
があった場合において、抗告裁判所に事件を送付するときは、原裁判所は、抗告事件につ
いての意見を付さなければならない。
 
(原審判の取消事由等を記載した書面の写しの送付・法第八十八条)
 
第五十八条抗告裁判所は、原裁判所から事件の送付を受けた場合には、即時抗告が不適
法であるとき又は即時抗告に理由がないことが明らかなときを除き、原審における当事者
及び利害関係参加人(抗告人を除く。)に対し、第五十五条第一項の書面(即時抗告の提
起後十四日以内に提出されたものに限る。)の写しを送付しなければならない。ただし、
抗告審における手続の円滑な進行を妨げるおそれがあると認められる場合は、この限りで
ない。
 
(審判書の引用・法第九十一条)
 
第五十九条抗告審の決定書における理由の要旨の記載は、審判書を引用してすることが
できる。
 
(家事審判の手続の規定及び民事訴訟規則の準用・法第九十三条)
 
第六十条 審判に対する即時抗告及びその抗告審に関する手続については、特別の定めが
ある場合を除き、前節第一款から第七款までの規定(第三十九条並びに第五十二条第一項
及び第三項の規定を除く。)、第四節の規定及び次章の規定を準用する。
2 民事訴訟規則第百七十三条、第百七十七条及び第百八十五条の規定は、審判に対する
即時抗告及びその抗告審に関する手続について準用する。この場合において、同規則第百
七十三条第三項及び第百七十七条第二項中「相手方」とあるのは、「原審における当事者
及び利害関係参加人」と読み替えるものとする。
 
第二目 特別抗告
 
(特別抗告をする場合における費用の予納・法第九十四条等)
 
第六十一条特別抗告をするときは、抗告状の写しの送付に必要な費用のほか、抗告提起
 
 
通知書の送達及び送付、抗告理由書の写しの送付、裁判の告知並びに抗告裁判所が家事審
判事件又は抗告事件の記録の送付を受けた旨の通知に必要な費用の概算額を予納しなけれ
ばならない。
 
(特別抗告の抗告提起通知書の送達及び送付・法第九十四条等)
 
第六十二条特別抗告があった場合には、原裁判所は、抗告状却下の命令又は法第九十六
条第一項において準用する法第八十七条第三項の規定による抗告却下の決定があったとき
を除き、抗告提起通知書を、抗告人に送達するとともに、原審における当事者及び利害関
係参加人(抗告人を除く。)に送付しなければならない。
 
(特別抗告の抗告理由書の提出期間・法第九十四条等)
 
第六十三条特別抗告の抗告理由書の提出の期間は、抗告人が前条の規定による抗告提起
通知書の送達を受けた日から十四日とする。
 
(特別抗告の理由を記載した書面の写しの添付・法第九十四条等)
 
第六十四条特別抗告の理由を記載した書面には、原審における当事者及び利害関係参加
人(抗告人を除く。)の数に六を加えた数の写しを添付しなければならない。
 
(抗告裁判所への事件送付・法第九十四条等)
 
第六十五条特別抗告があった場合には、原裁判所は、抗告状却下の命令又は抗告却下の
決定があったときを除き、事件を抗告裁判所に送付しなければならない。この場合におい
て、原裁判所は、抗告人が特別抗告の理由中に示した家事審判事件の手続に関する事実の
有無について意見を付することができる。
2 前項の規定による事件の送付は、原裁判所の裁判所書記官が、抗告裁判所の裁判所書
記官に対し、家事審判事件の記録を送付してしなければならない。ただし、原裁判所が家
事審判事件の記録を送付する必要がないと認めたときは、原裁判所の裁判所書記官は、抗
告事件の記録のみを抗告裁判所の裁判所書記官に送付すれば足りる。
3 抗告裁判所の裁判所書記官は、前項の規定による家事審判事件又は抗告事件の記録の
送付を受けたときは、速やかに、その旨を原審における当事者及び利害関係参加人に通知
しなければならない。
4 第二項ただし書の規定により抗告事件の記録のみが送付された場合において、抗告裁
判所が同項の家事審判事件の記録が必要であると認めたときは、抗告裁判所の裁判所書記
 
 
官は、速やかに、その送付を原裁判所の裁判所書記官に求めなければならない。
 
(特別抗告の抗告理由書の写しの送付・法第九十四条等)
 
第六十六条抗告裁判所は、原裁判所から事件の送付を受けた場合には、特別抗告が不適
法であるとき又は特別抗告に理由がないことが明らかなときを除き、原審における当事者
及び利害関係参加人(抗告人を除く。)に対し、特別抗告の抗告理由書の写しを送付しな
ければならない。
 
(執行停止の申立ての方式・法第九十五条)
 
第六十七条 法第九十五条第一項ただし書の申立ては、書面でしなければならない。
 
(即時抗告の規定及び民事訴訟規則の準用・法第九十六条)
 
第六十八条第五十四条、第五十九条及び第六十条の規定は、特別抗告及びその抗告審に
関する手続について準用する。この場合において、第五十九条中「審判書」とあるのは、
「原審の裁判書」と読み替えるものとする。
2 民事訴訟規則第五十条の二、第百九十条第一項、第百九十二条、第百九十三条、第百
九十六条及び第二百二条の規定は、特別抗告及びその抗告審に関する手続について準用す
る。この場合において、同規則第百九十六条第一項中「第百九十四条(上告理由書の提出
期間)」とあるのは「家事事件手続規則第六十三条」と、「第百九十条(法第三百十二条
第一項及び第二項の上告理由の記載の方式)又は第百九十一条(法第三百十二条第三項の
上告理由の記載の方式)」とあるのは「同規則第六十八条第二項において準用する第百九
十条第一項」と読み替えるものとする。
 
第三目 許可抗告
 
(即時抗告等の規定及び民事訴訟規則の準用・法第九十八条)
 
第六十九条第五十四条及び第五十九条から第六十七条までの規定は、許可抗告及びその
抗告審に関する手続について準用する。この場合において、第五十四条中「審判に対する
即時抗告」とあり、並びに第六十一条、第六十二条、第六十四条及び第六十五条第一項中
「特別抗告」とあるのは「法第九十七条第二項の申立て」と、第五十四条及び第六十一条
中「抗告状」とあるのは「法第九十七条第二項の規定による許可の申立書」と、第五十九
条中「審判書」とあるのは「原審の裁判書」と、第六十一条から第六十三条までの規定中
 
 
「抗告提起通知書」とあるのは「抗告許可申立て通知書」と、第六十一条中「抗告理由書
」とあり、並びに第六十三条及び第六十六条中「特別抗告の抗告理由書」とあるのは「法
第九十七条第二項の申立てに係る理由書」と、第六十二条及び第六十五条第一項中「抗告
状却下」とあるのは「法第九十七条第二項の規定による許可の申立書の却下」と、第六十
二条中「法第九十六条第一項において準用する法第八十七条第三項の規定による抗告却下
」とあり、及び第六十五条第一項中「抗告却下」とあるのは「法第九十七条第二項の申立
ての却下若しくは不許可」と、第六十六条中「特別抗告が不適法であるとき又は特別抗告
」とあるのは「法第九十七条第二項の申立てが不適法であるとき又は同項の申立て」と読
み替えるものとする。
2 民事訴訟規則第百九十二条、第百九十三条、第百九十六条及び第百九十九条第一項の
規定は法第九十七条第二項の申立てについて、同規則第二百条の規定は法第九十七条第二
項の規定による許可をする場合について、同規則第五十条の二及び第二百二条の規定は許
可抗告の抗告審に関する手続について準用する。この場合において、同規則第百九十六条
第一項中「第百九十四条(上告理由書の提出期間)」とあるのは「家事事件手続規則第六
十九条第一項において読み替えて準用する同規則第六十三条」と、「第百九十条(法第三
百十二条第一項及び第二項の上告理由の記載の方式)又は第百九十一条(法第三百十二条
第三項の上告理由の記載の方式)」とあるのは「同規則第六十九条第二項において準用す
る第百九十九条第一項」と、同条第二項中「法第三百十六条(原裁判所による上告の却下
)第一項第二号の規定による上告却下」とあるのは「家事事件手続法第九十七条第二項の
規定による申立ての不許可」と、「法第三百十五条(上告の理由の記載)第二項」とある
のは「家事事件手続規則第六十九条第二項において準用する第百九十九条第一項」と読み
替えるものとする。
 
第二款審判以外の裁判に対する不服申立て
 
(抗告状の記載事項・法第九十九条)
 
第七十条 審判以外の裁判に対する即時抗告をするときは、抗告状には、原裁判の取消し
又は変更を求める事由を具体的に記載しなければならない。
 
(即時抗告の提起に係る記録の送付・法第九十九条)
 
第七十一条審判以外の裁判に対する即時抗告(第三項の即時抗告を除く。)があった場
合において、原裁判所が家事審判事件の記録を送付する必要がないと認めたときは、次条
において準用する第五十六条第二項の規定にかかわらず、原裁判所の裁判所書記官は、抗
告事件の記録のみを抗告裁判所の裁判所書記官に送付すれば足りる。
 
 
2 前項の規定により抗告事件の記録が送付された場合において、抗告裁判所が同項の家
事審判事件の記録が必要であると認めたときは、抗告裁判所の裁判所書記官は、速やかに、
その送付を原裁判所の裁判所書記官に求めなければならない。
3 法第四十七条第十項の規定による即時抗告があったときは、次条において準用する第
五十六条第二項の規定にかかわらず、原裁判所の裁判所書記官は、抗告事件の記録のみを
抗告裁判所の裁判所書記官に送付するものとする。
4 前項の場合には、同項の記録に、抗告事件についての原裁判所の意見を記載した書面
及び抗告事件の審理に参考となる資料を添付しなければならない。
 
(審判に対する不服申立ての規定の準用・法第百二条)
 
第七十二条前款の規定(第五十四条(第六十八条第一項及び第六十九条第一項において
準用する場合を含む。)、第五十五条及び第五十八条の規定を除く。)は、裁判所、裁判
官又は裁判長がした審判以外の裁判に対する不服申立てについて準用する。
 
第三節 再審
 
(再審の手続・法第百三条)
 
第七十三条再審の申立書には、不服の申立てに係る裁判書の写しを添付しなければなら
ない。
2 前項に規定するほか、再審の手続については、その性質に反しない限り、各審級にお
ける家事審判の手続に関する規定を準用する。
 
(法第百四条第一項の申立て)
 
第七十四条法第百四条第一項の規定による申立てについては、第六十七条の規定を準用
する。
 
第四節 審判前の保全処分
 
(審判前の保全処分の手続・法第百六条等)
 
第七十五条審判前の保全処分の申立ての取下げについては、第五十二条第一項の規定は、
適用しない。ただし、その取下げが、家庭裁判所(法第百五条第二項の場合にあっては、
高等裁判所)が審判前の保全処分の事件における審判を受ける者となるべき者に対し当該
 
 
事件が係属したことを通知し、又は審判前の保全処分を告知した後にされたものである場
合は、この限りでない。
2 第六十七条の規定は、法第百十一条第一項(法第百十三条第三項において準用する場
合を含む。)の規定による申立てについて準用する。
3 民事保全規則(平成二年最高裁判所規則第三号)第二条、第十二条及び第十七条の規
定は審判前の保全処分に関する手続における担保について、同規則第十八条から第二十条
までの規定(これらの規定(同規則第十九条第一項を除く。)を同規則第二十三条におい
て準用する場合を含む。)及び同規則第二十二条の規定は審判前の保全処分について、同
規則第二十四条第二項及び第二十七条第一項の規定は審判前の保全処分の取消しの申立て
について準用する。この場合において、同規則第二十七条第一項中「第九条第二項第二号
又は第六号」とあるのは、「家事事件手続法第七十六条第二項第二号又は第三号」と読み
替えるものとする。
 
第五節 戸籍の記載等の嘱託
 
(戸籍の記載の嘱託・法第百十六条)
 
第七十六条法第百十六条第一号の審判又はこれに代わる裁判であって、同条ただし書の
戸籍の記載の嘱託を要するものとして最高裁判所規則で定めるものは、次に掲げる審判及
びこれに代わる裁判とする。
一親権喪失、親権停止又は管理権喪失の審判
二未成年後見人又は未成年後見監督人の選任の審判
三未成年後見人又は未成年後見監督人の辞任についての許可の審判
四未成年後見人又は未成年後見監督人の解任の審判
五 未成年後見人又は未成年後見監督人の権限の行使についての定め及びその取消しの審
六性別の取扱いの変更の審判
2 法第百十六条第二号の審判前の保全処分であって、同条ただし書の戸籍の記載の嘱託
を要するものとして最高裁判所規則で定めるものは、次に掲げる審判前の保全処分とする。
一 法第百六十六条第一項(同条第五項において準用する場合を含む。)の規定により親
権者若しくは未成年後見人の職務の執行を停止し、又はその職務代行者を選任する審判前
の保全処分及び同条第三項(同条第五項において準用する場合を含む。)の規定により職
務代行者を改任する審判前の保全処分
二 法第百七十四条第一項又は第百七十五条第三項の規定により親権者の職務の執行を停
止し、又はその職務代行者を選任する審判前の保全処分及び法第百七十四条第三項又は第
百七十五条第五項の規定により職務代行者を改任する審判前の保全処分
 
 
三 法第百八十一条において準用する法第百二十七条第一項の規定により未成年後見人若
しくは未成年後見監督人の職務の執行を停止し、又はその職務代行者を選任する審判前の
保全処分及び同条第三項の規定により職務代行者を改任する審判前の保全処分
3 法第百十六条の規定により戸籍の記載を嘱託する場合には、嘱託書に次に掲げる事項
を記載し、裁判所書記官が記名押印しなければならない。
一 審判(これに代わる裁判を含む。以下この号において同じ。)を受ける者及び当該戸
籍の記載に係る未成年者(第一項第六号に掲げる審判にあっては、審判を受ける者に限る。
)の氏名及び戸籍の表示(審判を受ける者が法人である場合にあっては、名称及び住所)
二戸籍の記載の原因及びその原因が生じた日
三戸籍の記載をすべき事項
四嘱託の年月日
五裁判所書記官の氏名及び所属裁判所
4前項の嘱託書には、戸籍の記載の原因を証する書面を添付しなければならない。
 
(後見登記法に定める登記の嘱託・法第百十六条)
 
第七十七条法第百十六条第一号の審判又はこれに代わる裁判であって、同条ただし書の
後見登記法に定める登記の嘱託を要するものとして最高裁判所規則で定めるものは、次に
掲げる審判及びこれに代わる裁判とする。
一後見開始、保佐開始又は補助開始の審判及びその取消しの審判
二 成年後見人、成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人又は補助監督人(以下「
成年後見人等」という。)の選任の審判
三 任意後見契約の効力を発生させるための任意後見監督人の選任の審判並びに任意後見
監督人が欠けた場合及び任意後見監督人を更に選任する場合における任意後見監督人の選
任の審判
四成年後見人等又は任意後見監督人の辞任についての許可の審判
五成年後見人等、任意後見監督人又は任意後見人の解任の審判
六成年後見人等又は任意後見監督人の権限の行使についての定め及びその取消しの審判
七 保佐人又は補助人の同意を得なければならない行為の定めの審判及びその取消しの審
八保佐人又は補助人に対する代理権の付与の審判及びその取消しの審判
2 法第百十六条第二号の審判前の保全処分であって、同条ただし書の後見登記法に定め
る登記の嘱託を要するものとして最高裁判所規則で定めるものは、次に掲げる審判前の保
全処分とする。
一 法第百二十六条第二項、第百三十四条第二項又は第百四十三条第二項の規定により財
産の管理者の後見、保佐又は補助を受けることを命ずる審判前の保全処分並びに法第百二
 
 
十六条第八項、第百三十四条第六項及び法第百四十三条第六項において準用する法第百二
十五条第一項の規定により財産の管理者を改任する審判前の保全処分
二 法第百二十七条第一項(同条第五項並びに法第百三十五条、第百四十四条及び第二百
二十五条第一項において準用する場合を含む。)の規定により成年後見人等若しくは任意
後見監督人の職務の執行を停止し、又はその職務代行者を選任する審判前の保全処分及び
法第百二十七条第三項(同条第五項並びに法第百三十五条、第百四十四条及び第二百二十
五条第一項において準用する場合を含む。)の規定により職務代行者を改任する審判前の
保全処分
三 法第二百二十五条第二項において読み替えて準用する法第百二十七条第一項の規定に
より任意後見人の職務の執行を停止する審判前の保全処分
3 後見開始、保佐開始若しくは補助開始の審判又はこれに代わる裁判が効力を生じた場
合において、任意後見契約に関する法律(平成十一年法律第百五十号。以下「任意後見契
約法」という。)第十条第三項の規定により終了する任意後見契約があるときは、裁判所
書記官は、遅滞なく、登記所に対し、その任意後見契約が終了した旨の後見登記法に定め
る登記を嘱託しなければならない。
4 法第百十六条及び前項の規定により後見登記法に定める登記を嘱託する場合には、嘱
託書に次に掲げる事項を記載し、裁判所書記官が記名押印しなければならない。
一 成年被後見人、被保佐人、被補助人、財産の管理者の後見、保佐若しくは補助を受け
るべきことを命ぜられた者又は任意後見契約法第二条第二号の本人の氏名、出生の年月日、
住所及び本籍(外国人にあっては、国籍)
二登記すべき事項を記録すべき登記記録があるときは、その登記記録の登記番号
三登記の事由
四登記すべき事項
五嘱託の年月日
六裁判所書記官の氏名及び所属裁判所
七登記所の表示
八登記手数料の額
5前項の嘱託書には、登記の事由を証する書面を添付しなければならない。
 
第二章 家事審判事件
 
第一節 成年後見に関する審判事件
 
(申立ての取下げの理由の明示等・法第百二十一条)
 
第七十八条法第百二十一条各号に掲げる申立ての取下げをするときは、取下げの理由を
 
 
明らかにしなければならない。
2前項の取下げについては、第五十二条第一項の規定は、適用しない。
3 法第百二十一条の許可があったときは、裁判所書記官は、その旨を当事者及び利害関
係参加人に通知しなければならない。
 
(成年後見人の解任に関する家庭裁判所調査官の報告等)
 
第七十九条家庭裁判所調査官は、成年後見人に民法(明治二十九年法律第八十九号)第
八百四十六条に規定する事由があると認めるときは、その旨を家庭裁判所に報告しなけれ
ばならない。
2 前項の規定による報告は、次に掲げる事項を記載した報告書によってしなければなら
ない。
一 解任すべき成年後見人及び成年被後見人の氏名及び住所(成年後見人が法人である場
合にあっては、名称及び住所)
二成年後見開始の原因及び年月日
三第一号の成年後見人が就職した年月日
四解任すべき事由
五その他参考となる事項
3前二項の規定は、成年後見監督人の解任について準用する。
 
(成年後見の事務の監督に関する家庭裁判所調査官の報告・法第百二十四条)
 
第八十条 家庭裁判所調査官は、民法第八百六十三条の規定による成年後見の事務に関す
る処分の必要があると認めるときは、その旨を家庭裁判所に報告しなければならない。
2前条第二項の規定は、前項の規定による報告について準用する。
 
(成年後見人に対する指示等)
 
第八十一条家庭裁判所は、いつでも、成年後見人に対し、成年被後見人の療養看護及び
財産の管理その他の成年後見の事務に関し相当と認める事項を指示することができる。
2 家庭裁判所は、いつでも、成年後見監督人に対し、成年後見監督の事務に関し相当と
認める事項を指示することができる。
 
(管理者による財産の目録の提出等・法第百二十五条)
 
第八十二条第三者が成年被後見人に与えた財産の管理に関する処分の審判事件において
 
 
選任された管理者及び法第百二十五条第一項の規定により改任された管理者は、法令の規
定によりその管理すべき財産の目録を作成する場合には、二通を作成し、その一通を家庭
裁判所に提出しなければならない。
2 家庭裁判所は、前項の財産の目録が不十分であると認めるときは、同項の管理者に対
し、公証人に財産の目録を作成させることを命ずることができる。
 
(抵当権の設定等の登記の嘱託書の添付書類・法第百二十五条)
 
第八十三条法第百二十五条第五項の規定により抵当権の設定の登記を嘱託するときは、
嘱託書に抵当権の設定を命ずる審判書の謄本を添付しなければならない。
2 前項の規定は、法第百二十五条第五項の規定により設定した抵当権の変更又は消滅の
登記を嘱託する場合について準用する。
 
(管理者による財産の目録の提出等の規定の準用・法第百二十六条)
 
第八十四条第八十二条の規定は法第百二十六条第一項の規定により選任された財産の管
理者及び同条第八項において準用する法第百二十五条第一項の規定により改任された財産
の管理者について、前条の規定は法第百二十六条第八項において準用する法第百二十五条
第五項の規定による登記の嘱託について準用する。
 
第二節 保佐に関する審判事件
 
(成年後見に関する審判事件の規定の準用・法第百三十三条等)
 
第八十五条第七十八条の規定は保佐開始の申立ての取下げ及び保佐人の選任の申立ての
取下げについて、第七十九条第一項及び第二項の規定は保佐人又は保佐監督人の解任につ
いて、第八十条及び第八十一条第一項の規定は保佐の事務について、同条第二項の規定は
保佐監督の事務について、第八十二条の規定は法第百三十四条第一項において準用する法
第百二十六条第一項の規定により選任された財産の管理者及び法第百三十四条第六項にお
いて準用する法第百二十五条第一項の規定により改任された財産の管理者について、第八
十三条の規定は法第百三十四条第六項において準用する法第百二十五条第五項の規定によ
る登記の嘱託について準用する。
 
第三節 補助に関する審判事件
 
(成年後見に関する審判事件の規定の準用・法第百四十二条等)
 
 
第八十六条第七十八条の規定は補助開始の申立ての取下げ及び補助人の選任の申立ての
取下げについて、第七十九条第一項及び第二項の規定は補助人又は補助監督人の解任につ
いて、第八十条及び第八十一条第一項の規定は補助の事務について、同条第二項の規定は
補助監督の事務について、第八十二条の規定は法第百四十三条第一項において準用する法
第百二十六条第一項の規定により選任された財産の管理者及び法第百四十三条第六項にお
いて準用する法第百二十五条第一項の規定により改任された財産の管理者について、第八
十三条の規定は法第百四十三条第六項において準用する法第百二十五条第五項の規定によ
る登記の嘱託について準用する。
 
第四節 不在者の財産の管理に関する処分の審判事件
 
(管理者による財産の目録の提出等の規定の準用・法第百四十六条)
 
第八十七条第八十二条の規定は民法第二十五条第一項の規定により選任された管理人及
び同法第二十六条又は法第百四十六条第一項の規定により改任された管理人について、第
八十三条の規定は法第百四十六条第五項の規定による登記の嘱託について準用する。
 
第五節 失踪の宣告に関する審判事件
 
(公告すべき事項・法第百四十八条)
 
第八十八条法第百四十八条第三項の規定による公告には、同項各号に掲げる事項のほか、
次に掲げる事項を掲げなければならない。
一申立人の氏名又は名称及び住所
二不在者の氏名、住所及び出生の年月日
 
(失踪の宣告の審判等の確定の公告及び通知・法第百四十八条等)
 
第八十九条失踪の宣告の審判が確定したときは、裁判所書記官は、遅滞なく、その旨を
公告し、かつ、失踪者の本籍地の戸籍事務を管掌する者に対し、その旨を通知しなければ
ならない。
2前項の規定は、失踪の宣告の取消しの審判が確定した場合について準用する。
 
第六節 婚姻等に関する審判事件
 
 
(夫婦間の協力扶助に関する処分の審判における指示・法第百五十四条)
 
第九十条 家庭裁判所は、夫婦間の協力扶助に関する処分の審判において、扶助の程度若
しくは方法を定め、又はこれを変更する場合には、必要な事項を指示することができる。
 
(共有財産の分割に関する処分の審判の申立書の記載事項等・法第百五十五条)
 
第九十一条共有財産の分割に関する処分の審判の申立書には、共有者を記載し、かつ、
共有財産の目録を添付しなければならない。
 
(管理者による財産の目録の提出等の規定の準用・法第百五十八条)
 
第九十二条第八十二条の規定は法第百五十八条第一項の規定により選任された財産の管
理者及び同条第三項において準用する法第百二十五条第一項の規定により改任された財産
の管理者について、第八十三条の規定は法第百五十八条第三項において準用する法第百二
十五条第五項の規定による登記の嘱託について準用する。
 
第七節 親子に関する審判事件
 
(特別養子縁組の成立の審判の申立書の記載事項等・法第百六十四条)
 
第九十三条特別養子縁組の成立の審判の申立書には、次に掲げる事項を記載しなければ
ならない。
一 養子となるべき者の父母の同意の有無及びその同意がないときは民法第八百十七条の
六ただし書に規定する場合に該当することを示す事情
二 養親となるべき者による養子となるべき者の監護の開始の年月日、開始の経緯及び開
始後の状況
三 児童相談所又は養子縁組をあっせんする事業を行う者(以下この号及び第三項におい
て「児童相談所等」という。)のあっせんの有無並びにそのあっせんが行われたときは当
該児童相談所等の氏名又は名称及び住所
2 特別養子縁組の成立の審判が確定したときは、裁判所書記官は、遅滞なく、養親の本
籍地の戸籍事務を管掌する者に対し、その旨を通知しなければならない。
3 特別養子縁組の成立の申立てについての審判が確定したときは、裁判所書記官は、遅
滞なく、当該特別養子縁組のあっせんを行った児童相談所等及び当該特別養子縁組につい
て家庭裁判所からの嘱託に応じて調査を行った児童相談所に対し、その旨を通知しなけれ
ばならない。
 
 
(特別養子縁組の離縁の審判の確定の通知・法第百六十五条)
 
第九十四条特別養子縁組の離縁の審判が確定したときは、裁判所書記官は、遅滞なく、
養子の本籍地の戸籍事務を管掌する者に対し、その旨を通知しなければならない。
 
第八節 親権に関する審判事件
 
(親権者の指定又は変更の審判等の確定の通知・法第百六十七条等)
 
第九十五条親権者の指定又は変更の審判が確定したときは、裁判所書記官は、遅滞なく、
子の本籍地の戸籍事務を管掌する者に対し、その旨を通知しなければならない。親権喪失、
親権停止又は管理権喪失の審判の取消しの審判が確定したときも、同様とする。
 
(管理者による財産の目録の提出等の規定の準用・法第百七十三条)
 
第九十六条第八十二条の規定は第三者が子に与えた財産の管理に関する処分の審判事件
において選任された管理者及び法第百七十三条において準用する法第百二十五条第一項の
規定により改任された管理者について、第八十三条の規定は法第百七十三条において準用
する法第百二十五条第五項の規定による登記の嘱託について準用する。
 
第九節 未成年後見に関する審判事件
 
(成年後見に関する審判事件の規定の準用・法第百八十条)
 
第九十七条第七十八条の規定は未成年後見人の選任の申立ての取下げについて、第七十
九条第一項及び第二項の規定は未成年後見人又は未成年後見監督人の解任について、第八
十条及び第八十一条第一項の規定は未成年後見の事務について、同条第二項の規定は未成
年後見監督の事務について、第八十二条の規定は第三者が未成年被後見人に与えた財産の
管理に関する処分の審判事件において選任された管理者及び法第百八十条において準用す
る法第百二十五条第一項の規定により改任された管理者について、第八十三条の規定は法
第百八十条において準用する法第百二十五条第五項の規定による登記の嘱託について準用
する。
 
第十節 扶養に関する審判事件
 
 
(扶養の程度又は方法についての決定の審判等における指示・法第百八十五条)
 
第九十八条家庭裁判所は、扶養の程度又は方法についての決定及びその決定の変更又は
取消しの審判において、必要な事項を指示することができる。
 
第十一節推定相続人の廃除に関する審判事件
 
(推定相続人の廃除の審判事件における手続・法第百八十八条)
 
第九十九条推定相続人の廃除の審判事件における手続については、申立人及び廃除を求
められた推定相続人を当事者とみなして、第四十七条及び第四十八条の規定を準用する。
 
(推定相続人の廃除の審判等の確定の通知・法第百八十八条)
 
第百条推定相続人の廃除の審判又はその取消しの審判が確定したときは、裁判所書記官
は、遅滞なく、廃除された者の本籍地の戸籍事務を管掌する者に対し、その旨を通知しな
ければならない。
 
(管理者による財産の目録の提出等の規定の準用・法第百八十九条)
 
第百一条 第八十二条の規定は推定相続人の廃除の審判又はその取消しの審判の確定前の
遺産の管理に関する処分の審判事件において選任された管理人及び法第百八十九条第二項
において準用する法第百二十五条第一項の規定により改任された管理人について、第八十
三条の規定は法第百八十九条第二項において準用する法第百二十五条第五項の規定による
登記の嘱託について準用する。この場合において、第八十二条中「家庭裁判所」とあるの
は、「推定相続人の廃除の審判又はその取消しの審判の確定前の遺産の管理に関する処分
を命じた裁判所」と読み替えるものとする。
 
第十二節遺産の分割に関する審判事件
 
(遺産の分割の審判の申立書の記載事項等・法第百九十一条等)
 
第百二条 遺産の分割の審判の申立書には、次に掲げる事項を記載し、かつ、遺産の目録
を添付しなければならない。
一共同相続人
二民法第九百三条第一項に規定する遺贈又は贈与の有無及びこれがあるときはその内容
 
 
2 寄与分を定める処分の審判の申立書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一寄与の時期、方法及び程度その他の寄与の実情
二遺産の分割の審判又は調停の申立てがあったときは、当該事件の表示
三 民法第九百十条に規定する場合にあっては、共同相続人及び相続財産の表示、認知さ
れた日並びに既にされた遺産の分割その他の処分の内容
 
(遺産の換価を命ずる裁判に関する手続・法第百九十四条)
 
第百三条 法第百九十四条第一項又は第二項の規定による裁判(第六項において「換価を
命ずる裁判」という。)が確定したときは、裁判所書記官は、同条第六項又は法第二百条
第一項の規定により選任された財産の管理者に対し、その旨を通知しなければならない。
2 法第百九十四条第一項の規定による裁判により換価を命じられた相続人は、執行裁判
所又は執行官に対して競売の申立てをしたときは、その旨及び事件の表示を家庭裁判所に
届け出なければならない。
3 前項の規定による届出があったときは、裁判所書記官は、執行裁判所又は執行官に対
し、第一項の財産の管理者の氏名又は名称及び住所を通知しなければならない。同項の財
産の管理者がその地位を失ったときも、同様とする。
4 家庭裁判所は、法第百九十四条第二項の規定により遺産の全部又は一部について任意
に売却して換価することを命ずるときは、売却の方法及び期限その他の条件を付すること
ができる。
5 家庭裁判所は、法第百九十四条第二項の規定により遺産のうち不動産について任意に
売却して換価することを命ずるときは、最低売却価額を定めなければならない。
6 換価を命ずる裁判により換価を命じられた相続人は、換価の手続が終了したときはそ
の結果を、換価することができなかったときはその理由及び結果を、遅滞なく、家庭裁判
所に対して報告しなければならない。
7 法第百九十四条第二項の規定による裁判により換価を命じられた相続人は、換価の手
続が終了したときは、直ちに、換価代金を第一項の財産の管理者に引き渡さなければなら
ない。
8 第八十二条の規定は法第百九十四条第六項の規定により選任された財産の管理者及び
同条第八項において準用する法第百二十五条第一項の規定により改任された財産の管理者
について、第八十三条の規定は法第百九十四条第八項において準用する法第百二十五条第
五項の規定による登記の嘱託について準用する。
9 民事執行規則(昭和五十四年最高裁判所規則第五号)第百二十三条及び第百二十四条
の規定は、法第百九十四条第二項の規定による裁判に基づいて動産を売却する場合につい
て準用する。
 
 
(管理者による財産の目録の提出等の規定の準用・法第二百条)
 
第百四条 第八十二条の規定は法第二百条第一項の規定により選任された財産の管理者及
び同条第三項において準用する法第百二十五条第一項の規定により改任された財産の管理
者について、第八十三条の規定は法第二百条第三項において準用する法第百二十五条第五
項の規定による登記の嘱託について準用する。
 
第十三節相続の承認及び放棄に関する審判事件
 
(限定承認及び相続の放棄の申述書の記載事項等・法第二百一条)
 
第百五条 限定承認及び相続の放棄の申述書には、法第二百一条第五項各号に掲げる事項
のほか、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一被相続人の氏名及び最後の住所
二被相続人との続柄
三相続の開始があったことを知った年月日
2 限定承認の取消し及び相続の放棄の取消しの申述書には、法第二百一条第五項各号及
び前項第一号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一限定承認又は相続の放棄の申述を受理した裁判所及び受理の年月日
二限定承認又は相続の放棄の取消しの原因
三追認をすることができるようになった年月日
3 第三十七条から第四十一条までの規定は、限定承認及びその取消し並びに相続の放棄
及びその取消しの申述について準用する。
 
(限定承認等の申述の受理・法第二百一条)
 
第百六条 法第二百一条第七項の規定により申述書に同条第五項の申述の受理の審判をす
る旨を記載するときは、審判をした裁判官が当該申述書に記名押印しなければならない。
この場合においては、第五十条第二項の規定を準用する。
2 前項の審判がされたときは、裁判所書記官は、当事者及び利害関係参加人に対し、そ
の旨を通知しなければならない。
 
(管理者による財産の目録の提出等の規定の準用・法第二百一条)
 
第百七条 第八十二条の規定は相続財産の保存又は管理に関する処分の審判事件において
選任された相続財産の管理人及び法第二百一条第十項において準用する法第百二十五条第
 
 
一項の規定により改任された相続財産の管理人について、第八十三条の規定は法第二百一
条第十項において準用する法第百二十五条第五項の規定による登記の嘱託について準用す
る。
 
第十四節財産分離に関する審判事件
 
(管理者による財産の目録の提出等の規定の準用・法第二百二条)
 
第百八条 第八十二条の規定は財産分離の請求後の相続財産の管理に関する処分の審判事
件において選任された相続財産の管理人及び法第二百二条第三項において準用する法第百
二十五条第一項の規定により改任された相続財産の管理人について、第八十三条の規定は
法第二百二条第三項において準用する法第百二十五条第五項の規定による登記の嘱託につ
いて準用する。
 
第十五節相続人の不存在に関する審判事件
 
(相続財産の管理人の選任等の公告・法第二百三条等)
 
第百九条 民法第九百五十二条第二項の規定による公告には、次に掲げる事項を掲げなけ
ればならない。
一申立人の氏名又は名称及び住所
二被相続人の氏名、職業及び最後の住所
三被相続人の出生及び死亡の場所及び年月日
四相続財産の管理人の氏名又は名称及び住所
2 民法第九百五十八条の規定による公告には、次に掲げる事項を掲げなければならない。
一前項第一号から第三号までに掲げる事項
二相続人は、一定の期間までにその権利の申出をすべきこと。
 
(特別縁故者に対する相続財産の分与の審判の申立書の記載事項等・法第二百四条)
 
第百十条 特別縁故者に対する相続財産の分与の審判の申立書には、被相続人との特別の
縁故関係を記載しなければならない。
2 特別縁故者に対する相続財産の分与の申立てがあったときは、裁判所書記官は、遅滞
なく、民法第九百五十二条第一項の規定により選任され、又は法第二百八条において準用
する法第百二十五条第一項の規定により改任された相続財産の管理人に対し、その旨を通
知しなければならない。当該申立てについての審判が確定したときも、同様とする。
 
 
(遺産の換価を命ずる裁判に関する手続の規定の準用・法第二百七条)
 
第百十一条第百三条第四項から第六項まで及び第九項の規定は、特別縁故者に対する相
続財産の分与の審判事件について準用する。この場合において、同条第六項中「相続人」
とあるのは、「相続財産の管理人」と読み替えるものとする。
 
(管理者による財産の目録の提出等の規定の準用・法第二百八条)
 
第百十二条第八十二条の規定は相続人の不存在の場合における相続財産の管理に関する
処分の審判事件において選任された相続財産の管理人及び法第二百八条において準用する
法第百二十五条第一項の規定により改任された相続財産の管理人について、第八十三条の
規定は法第二百八条において準用する法第百二十五条第五項の規定による登記の嘱託につ
いて準用する。
 
第十六節遺言に関する審判事件
 
(遺言書の検認の方法・法第二百十一条)
 
第百十三条家庭裁判所は、遺言書の検認をするには、遺言の方式に関する一切の事実を
調査しなければならない。
 
(遺言書の検認の調書の記載事項・法第二百十一条)
 
第百十四条 法第二百十一条の調書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一事件の表示
二裁判官及び裁判所書記官の氏名
三申立人の氏名又は名称及び住所
四立ち会った相続人その他の利害関係人の氏名及び住所
五検認の年月日
六証人、当事者本人及び鑑定人の陳述の要旨
七 証人、当事者本人及び鑑定人の宣誓の有無並びに証人及び鑑定人に宣誓をさせなかっ
た理由
八事実の調査の結果
2 前項の調書については、第三十一条第一項並びに第三十二条第一項及び第二項の規定
は、適用しない。
 
 
(遺言書の検認の期日の通知等・法第二百十一条等)
 
第百十五条裁判所書記官は、申立人及び相続人に対し、遺言書の検認の期日を通知しな
ければならない。
2 遺言書の検認がされたときは、裁判所書記官は、遺言書の検認の期日に立ち会わなか
った相続人、受遺者その他の利害関係人(前項の規定による通知を受けた者を除く。)に
対し、その旨を通知しなければならない。
 
(遺言の確認の申立ての取下げ及び遺言書の検認の申立ての取下げ・法第二百十二条)
 
第百十六条遺言の確認の申立ての取下げ及び遺言書の検認の申立ての取下げについては、
第七十八条の規定を準用する。この場合において、同条第三項中「法第百二十一条」とあ
るのは「法第二百十二条」と、「及び利害関係参加人」とあるのは「、利害関係参加人及
び第百十五条第一項の規定による通知を受けた者」と読み替えるものとする。
 
第十七節任意後見契約法に規定する審判事件
 
(任意後見監督人に対する指示・法第二百十七条等)
 
第百十七条家庭裁判所は、任意後見監督人に対し、任意後見契約法第七条第一項第二号
に規定する報告の時期及び内容を指示しなければならない。
2 家庭裁判所は、いつでも、任意後見監督人に対し、任意後見監督人の事務に関し相当
と認める事項を指示することができる。
 
(成年後見に関する審判事件の規定の準用・法第二百二十一条等)
第百十八条第七十八条の規定は任意後見契約の効力を発生させるための任意後見監督人
の選任の申立ての取下げ及び任意後見監督人が欠けた場合における任意後見監督人の選任
の申立ての取下げについて、第七十九条第一項及び第二項の規定は任意後見監督人の解任
について、第八十条の規定は任意後見監督人の職務について準用する。この場合において、
第七十八条第三項中「法第百二十一条」とあるのは「法第二百二十一条」と、第七十九条
第二項第一号中「成年後見人及び成年被後見人」とあるのは「任意後見監督人、任意後見
契約法第二条第二号の本人及び任意後見人」と、「成年後見人が」とあるのは「任意後見
監督人及び任意後見人が」と、同項第二号中「成年後見開始の原因及び」とあるのは「任
意後見契約法第四条第一項の規定により任意後見監督人が選任された」と、同項第三号中
「成年後見人が就職した」とあるのは「任意後見監督人が選任された」と、第八十条第一
 
 
項中「民法第八百六十三条」とあるのは「任意後見契約法第七条第三項」と読み替えるも
のとする。
 
第十八節戸籍法に規定する審判事件
 
(就籍許可の審判の発効等の通知・法第二百二十六条等)
 
第百十九条次の各号に掲げる場合には、裁判所書記官は、遅滞なく、当該各号に定める
地の戸籍事務を管掌する者に対し、その旨を通知しなければならない。
一就籍許可の審判が効力を生じたとき 就籍しようとする地
二戸籍の訂正についての許可の審判が確定したとき その戸籍のある地
 
第十九節厚生年金保険法等に規定する審判事件
 
(請求すべき按分割合に関する処分の審判の申立書の添付書類・法第二百三十三条)
 
第百二十条請求すべき按分割合に関する処分の審判の申立書には、次の各号に掲げる審
判の区分に応じ、当該各号に定める文書を添付しなければならない。
一 厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第七十八条の二第二項の規定による
審判 同法第七十八条の四第一項の情報の内容が記載された文書であって、同項の規定に
より提供されたもの
二 国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)第九十三条の五第二項の規
定による審判同法第九十三条の七第一項の情報の内容が記載された文書であって、同項
の規定により提供されたもの
三 地方公務員等共済組合法(昭和三十七年法律第百五十二号)第百五条第二項の規定に
よる審判 同法第百七条第一項の情報の内容が記載された文書であって、同項の規定によ
り提供されたもの
四 私立学校教職員共済法(昭和二十八年法律第二百四十五号)第二十五条において準用
する国家公務員共済組合法第九十三条の五第二項の規定による審判同法第九十三条の七
第一項の情報の内容が記載された文書であって、同項の規定により提供されたもの
 
第二十節破産法に規定する審判事件
 
(相続の放棄の承認についての申述書の記載事項等・法第二百四十二条)
 
第百二十一条破産手続における相続の放棄の承認についての申述書には、法第二百四十
 
 
二条第三項において準用する法第二百一条第五項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事
項を記載しなければならない。
一被相続人の氏名及び最後の住所
二相続の放棄をした者の氏名及び住所
三被相続人と相続の放棄をした者との続柄
四相続の放棄の申述を受理した裁判所及び受理の年月日
五申述者が相続の放棄があったことを知った年月日
2 第三十七条から第四十一条までの規定は、破産手続における相続の放棄の承認につい
ての申述について準用する。
 
(共有財産の分割に関する処分の審判の申立書の記載事項等に関する規定の準用・法第二
百四十二条)
 
第百二十二条第九十一条の規定は破産手続が開始された場合における夫婦財産契約によ
る財産の管理者の変更等の審判の申立書について、第九十二条の規定は破産手続が開始さ
れた場合における夫婦財産契約による財産の管理者の変更等の審判事件を本案とする保全
処分について、第百六条の規定は破産手続における相続の放棄の承認についての申述の受
理の審判について準用する。
 
第二十一節 中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律に規定する審判事件
 
(遺留分の算定に係る合意についての許可の審判の申立書の添付書類・法第二百四十三条
 
第百二十三条遺留分の算定に係る合意についての許可の審判の申立書には、中小企業に
おける経営の承継の円滑化に関する法律(平成二十年法律第三十三号)第七条第一項の確
認をしたことを証明する経済産業大臣の作成した書面(当該確認に係る合意の内容が明ら
かにされたものに限る。)を添付しなければならない。
 
第三編 家事調停に関する手続
 
第一章 総則
 
第一節 通則
 
(移送等における取扱い等に関する規定の準用・法第二百四十六条)
 
 
第百二十四条第八条第二項の規定は法第二百四十六条第二項及び第三項の規定による移
送の裁判について、第九条の規定は法第二百四十六条第一項から第三項までの規定による
移送の裁判について準用する。
 
(家事調停官の権限・法第二百五十一条)
 
第百二十五条家事調停官は、その取り扱う家事調停事件の処理について、この規則にお
いて家庭裁判所、裁判官又は裁判長が行うものとして定める家事調停事件の処理に関する
権限を行うことができる。
 
(期日調書等に関する規定及び民事訴訟規則の準用・法第二百五十三条等)
 
第百二十六条第三十一条及び第三十二条の規定は法第二百五十三条の調書について、第
三十四条の規定は家事調停事件の記録の正本等について、第三十五条の規定は家事調停事
件の記録の閲覧等について準用する。この場合において、第三十一条第一項第二号中「裁
判官」とあるのは「裁判官又は家事調停官、家事調停委員」と、第三十二条第一項第一号
中「及び申立ての取下げ」とあるのは「、申立ての取下げ、法第二百六十八条の合意及び
法第二百七十一条又は第二百七十二条第一項の規定による事件の終了」と、第三十五条中
「法第四十七条第一項に規定する記録の閲覧等」とあるのは「家事調停事件の記録の閲覧
若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は家事調停事件に関する事項の証明
書の交付」と読み替えるものとする。
2 民事訴訟規則第六十八条から第七十七条までの規定は、家事調停の手続の期日及び前
項の調書について準用する。この場合において、同規則第六十八条第一項中「前条(口頭
弁論調書の実質的記載事項)第一項」とあるのは「家事事件手続規則第百二十六条第一項
において読み替えて準用する同規則第三十二条第一項」と、同規則第七十四条第一項第三
号中「上訴の提起又は上告受理」とあるのは「家事調停に関する審判に対する即時抗告若
しくは特別抗告の提起又は家事事件手続法第二百八十八条において準用する同法第九十七
条第二項」と、同規則第七十七条中「法廷」とあるのは「家事調停の手続の期日」と読み
替えるものとする。
 
第二節 家事調停の申立て
 
(家事調停の申立て等・法第二百五十五条等)
 
第百二十七条家事調停の申立てについては第三十七条から第四十一条まで及び第四十七
 
 
条の規定を、遺産の分割の調停の申立書については第百二条第一項の規定を、寄与分を定
める処分の調停の申立書については同条第二項の規定を、請求すべき按分割合に関する処
分の調停の申立書については第百二十条の規定を準用する。
 
第三節 家事調停の手続
 
(家事調停の手続における参加及び排除等・法第二百五十八条)
 
第百二十八条家事調停の手続における参加及び排除については第二十七条及び第二十八
条の規定を、家事調停の手続における受継については第二十九条(第四項を除く。)の規
定を、家事調停の手続における受命裁判官の指定については第三十六条の規定を、家事調
停の手続の期日については第四十二条及び第四十三条の規定を、家事調停の手続における
事実の調査及び証拠調べについては第四十四条第一項、第四十五条及び第四十六条の規定
を、家事調停に関する審判については第四十九条から第五十一条まで(第四十九条第三項
及び第五十条第四項を除く。)の規定を、家事調停に関する審判以外の裁判については第
四十九条第三項、第五十条第四項及び第五十一条の規定を準用する。この場合において、
第四十九条第一項中「第四十七条第一項又は第六項」とあるのは、「第二百五十四条第一
項又は第四項」と読み替えるものとする。
2 調停委員会を組織する家事調停委員は、家事調停の手続における証拠調べにおいて、
調停委員会を組織する裁判官に告げて、証人、当事者本人又は鑑定人を尋問することがで
きる。
 
(調停前の処分に違反した場合の制裁の告知・法第二百六十六条)
 
第百二十九条調停委員会(裁判官のみで家事調停の手続を行う場合にあっては、その裁
判官。第百三十一条において同じ。)は、法第二百六十六条第一項の処分を命ずる場合に
は、同時に、その違反に対する法律上の制裁を告知しなければならない。
2 調停委員会を組織する裁判官が法第二百六十六条第二項の規定により同条第一項の処
分を命ずる場合には、当該裁判官は、同時に、その違反に対する法律上の制裁を告知しな
ければならない。
 
第四節 調停の成立
 
(調停の成立の通知・法第二百六十八条等)
 
第百三十条調停が成立したときは、裁判所書記官は、当事者(法第二百七十条第一項の
 
 
規定により調停条項案を受諾する旨の書面を提出した者に限る。)及び利害関係参加人に
対し、遅滞なく、その旨を通知しなければならない。
2 次の各号に掲げる事項についての調停が成立したときは、裁判所書記官は、遅滞なく、
当該各号に定める者の本籍地の戸籍事務を管掌する者に対し、その旨を通知しなければな
らない。
一 離婚、離縁その他戸籍の届出又は訂正を必要とする事項(親権者の指定及び変更を除
く。) 当該調停に係る身分関係の当事者
二親権者の指定又は変更 子
 
(調停条項案の書面による受諾の手続・法第二百七十条)
 
第百三十一条調停委員会が法第二百七十条第一項の規定により調停条項案を提示すると
きは、書面に記載してしなければならない。この書面には、同項に規定する効果を付記す
るものとする。
2 法第二百七十条第一項に規定する調停条項案を受諾する旨の書面の提出があったとき
は、調停委員会は、その書面を提出した当事者の真意を確認しなければならない。
 
第五節 調停の成立によらない事件の終了
 
(調停をしない場合等の取扱い・法第二百七十一条等)
 
第百三十二条法第二百七十一条の規定により家事調停事件が終了したときは、裁判所書
記官は、当事者及び利害関係参加人に対し、遅滞なく、その旨を通知しなければならない。
2 法第二百七十二条第一項(法第二百七十七条第四項において準用する場合を含む。)
の規定により家事調停事件が終了したときは、裁判所書記官は、利害関係参加人に対し、
遅滞なく、その旨を通知しなければならない。
3第一項の規定は、家事調停の申立ての取下げがあった場合について準用する。
 
第六節 付調停等
 
(訴えの取下げの擬制等の通知・法第二百七十六条)
 
第百三十三条法第二百七十六条第一項の規定により訴えの取下げがあったものとみなさ
れたときは、裁判所書記官は、当該訴えに係る訴訟が係属していた裁判所に対し、遅滞な
く、その旨を通知しなければならない。
2 法第二百七十六条第二項の規定により家事審判事件が終了したときは、裁判所書記官
 
 
は、当該家事審判事件が係属していた裁判所に対し、遅滞なく、その旨を通知しなければ
ならない。
 
第二章 合意に相当する審判
 
(審判の確定の通知・法第二百七十七条)
 
第百三十四条法第二百七十七条第一項の審判(法第二百七十四条第三項の規定により高
等裁判所が自ら調停を行う場合にあっては、審判に代わる裁判。以下この条及び第百三十
六条において同じ。)について、法第二百七十九条第一項の規定による異議の申立てがな
いときは、裁判所書記官は、遅滞なく、当該審判に係る身分関係の当事者の本籍地の戸籍
事務を管掌する者に対し、その旨を通知しなければならない。当該審判について、同項の
規定による異議の申立てを却下する審判が確定したときも、同様とする。
 
(異議の申立ての方式・法第二百七十九条)
 
第百三十五条法第二百七十九条第一項の規定による異議の申立ては、書面でしなければ
ならない。
2 当事者が前項の異議の申立てをするときは、同項の書面には、異議の理由を記載し、
かつ、異議の理由を明らかにする資料を添付しなければならない。
3 利害関係人が第一項の異議の申立てをするときは、同項の書面には、利害関係を記載
し、かつ、利害関係を有することを明らかにする資料を添付しなければならない。
 
第三章 調停に代わる審判
 
(審判の確定の通知・法第二百八十四条)
 
第百三十六条次の各号に掲げる事項についての法第二百八十四条第一項の審判について、
法第二百八十六条第一項の規定による異議の申立てがないときは、裁判所書記官は、遅滞
なく、当該各号に定める者の本籍地の戸籍事務を管掌する者に対し、その旨を通知しなけ
ればならない。当該審判について、同項の規定による異議の申立てを却下する審判が確定
したときも、同様とする。
一 離婚、離縁その他戸籍の届出又は訂正を必要とする事項(親権者の指定及び変更を除
く。) 当該審判に係る身分関係の当事者
二親権者の指定又は変更 子
 
 
(異議の申立ての方式等・法第二百八十六条)
 
第百三十七条法第二百八十六条第一項の規定による異議の申立ては、書面でしなければ
ならない。
2 第百三十二条第二項の規定は、法第二百八十六条第五項の規定により法第二百八十四
条第一項の審判が効力を失った場合について準用する。
 
第四章 不服申立て等
 
(家事調停の手続においてされた裁判に対する不服申立て及び再審・法第二百八十八条)
 
第百三十八条家事調停の手続においてされた裁判に対する不服申立て及び再審について
は、特別の定めのある場合を除き、それぞれ前編第一章第二節及び第三節の規定を準用す
る。
 
第四編 履行の確保
 
(義務の履行状況の調査及び履行の勧告の手続における嘱託等・法第二百八十九条)
 
第百三十九条法第二百八十九条第二項又は第五項(これらの規定を同条第七項において
準用する場合を含む。)の規定による嘱託の手続は、裁判所書記官がする。
2 法第二百八十九条第六項(同条第七項において準用する場合を含む。以下この条にお
いて同じ。)の規定による許可があった場合における同条第六項の記録の閲覧等又はその
複製の請求に関する事務は、裁判所書記官が取り扱う。
3 第三十五条の規定は、法第二百八十九条第一項の規定による調査及び勧告の事件の記
録の閲覧等について準用する。
 
(義務履行の命令に違反した場合の制裁の告知等・法第二百九十条)
 
第百四十条家庭裁判所は、法第二百九十条第一項(同条第三項において準用する場合を
含む。)の規定による義務の履行をすべきことを命ずる審判をする場合には、同時に、義
務者に対し、その違反に対する法律上の制裁を告知しなければならない。
2 前項に規定するもののほか、同項の審判の手続については、第二編第一章に定めると
ころによる。
 
附則
 
 
(施行期日)
 
第一条 この規則(以下「新規則」という。)は、法の施行の日から施行する。
 
(施行の日=平成二五年一月一日)
 
(経過措置の原則)
 
第二条新規則は、非訟事件手続法及び家事事件手続法の施行に伴う関係法律の整備等に
関する法律(平成二十三年法律第五十三号。次条において「整備法」という。)第四条に
規定する事件以外の家事事件の手続について適用する。
 
(履行の確保に関する規定に関する経過措置)
 
第三条整備法第三条の規定による廃止前の家事審判法(昭和二十二年法律第百五十二号
)の規定による義務を定める審判その他の裁判、調停若しくは調停に代わる審判又は同法
第二十八条第二項に規定する調停前の措置(整備法第四条の規定によりなお従前の例によ
ることとされる場合におけるものを含む。以下この条において「義務を定める審判等」と
いう。)がされた場合においては、義務を定める審判等を法の規定による義務を定める審
判その他の裁判、調停若しくは調停に代わる審判又は調停前の処分とみなして、第百三十
九条及び第百四十条の規定を適用する。
 
(訴訟に関する経過措置)
 
第四条第百三十三条第一項の規定は、新規則の施行前に訴えの提起があった訴訟につい
ては、適用しない。
 
(民法附則に関する経過措置)
 
第五条新規則の規定の適用に関しては、次に掲げる事項は、法別表第二に掲げる事項と
みなす。
一 民法の一部を改正する法律(昭和二十二年法律第二百二十二号)の附則(次号におい
て「民法附則」という。)第二十四条の規定による扶養に関してされた判決の変更又は取
消し
二民法附則第三十二条の規定による遺産の分割に関する処分
 
 
2 第九十八条の規定は、前項第一号に掲げる事項についての審判事件について準用する。
3 第百二条から第百四条まで(第百二条第二項を除く。)の規定は、第一項第二号に掲
げる事項についての審判事件及び当該事件を本案とする保全処分について準用する。
 
(後見登記法に定める登記の手数料の予納等に関する経過措置)
 
第六条裁判所は、当分の間、第十九条第一項に規定する費用を、金銭に代えて登記印紙
で予納させることができる。
2 第十九条第二項の規定は、前項の規定により予納させた登記印紙の管理について準用
する。