「緊張くん」か、「ぼけちゃん」か
業務上過失致傷と前方不注視
(ぼっと〜〜していたのか否か)
大阪弁護士会所属
弁護士 五 右 衛 門
1 業務上過失致傷事件において、運転者が、脇見運転、携帯電話運転その他の原因により前方不注視であったか否かは、事故後の痕跡には残らない。
しかし、一部残る。
2 それは空走時間に、微妙に残る。
3 人間は
イ 危険を認知し−危険回避措置の必要性を認識し
ロ 体の筋肉を−緊張させ
ハ 緊張させた筋肉を−作動させ
ニ 制動措置(ブレーキの踏み込み動作)をする。
4 前方を注視し危険の有無の発見に神経を使っていた「緊張さん」と、ぼけっ〜〜としていた「ぼけちゃん」とでは、危険を認知する時期に早い遅いの時間的差違があるのは当然として、その後の動作にも微妙に影響する。
イ 「ぼけちゃん」は「緊張さん」と比べ、上記ロの「体の筋肉を−緊張させ」るという行為に微妙に時間を要する。「緊張さん」より時間がかかる。
ロ 上記ニの制動措置、操作も鈍いはず。
5 「ぼけちゃん」判断
イ 4のイ・・・空走時間が標準か否か
空走時間が標準より長い場合には・・・・ぼけちゃんの可能性が大
個体差にも配慮して。
ロ 4のロ
これは、ブレーキ痕跡の中身を調査していないので(普通はしない)わからない。